一般社団法人成城古典芸能協会です。能や長唄、日本舞踊など日本の古典芸能を世の中に広める活動をして参ります。

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2017年12月3日 第2回公演チケット販売

昨年の旗揚げ公演では多くの皆様にご覧いただきありがとうございます。本年の公演を望まれるお声に勇気づけられ、本年12月3日(日)に昨年と同じ会場、成城学園澤柳記念記念講堂にて第2回公演を行わさせていただきます。チケットの販売は10月11日からとなりますので心よりお越しをお待ちしております。

下部に申込みフォームがございます。

演じ物

<能 『小鍛冶 黒頭』 シテ 観世銕之丞 ワキ 村瀬提 間 内藤連 地頭 梅若長左衛門他>

<常磐津・長唄掛け合い 『角兵衛』 常磐津文字蔵こと都一中 杵家弥七他>

<日本舞踊 『楠公』 勝美伊三次>

チケット種類

指定席   8,000縁

1階自由席 5,000縁

2階自由席 3,000縁

小鍛冶
概要
平安時代の一条帝の御代。ある夜帝は、新しく御剣を造れとの不思議な霊夢を御覧になります。帝は急ぎ、橘道成を勅使として、高名な刀鍛冶(かたなかじ)である三条小鍛冶宗近のもとへとお遣わしになります。宗近は、自分に劣らぬ技量を持つ相鎚が居ないからと返答を渋るが、重ねて命令を蒙り、氏神である稲荷明神へ参詣します。そこに一人の童子が現れ、昔の様々な剣の故事を語り、「剣を打ちたければ祭壇を築き我を待て」と告げ姿を消します。宗近が祈りを捧げると、稲荷明神の使いの霊孤が現れ、宗近と力を合わせて天下無双の剣を打ち上げます。完成した御剣は献上され、霊孤は稲荷山へと飛び去っていきます。「小鍛冶は」歌舞伎や文楽にも採り入れられ、親しまれています。

・黒頭(くろがしら)
前場・後場ともにシテの扮装も変化します。前シテは、通常の演出であれば「童子」という面を用いるのですが、この小書がつくと「喝食」(かっしき)という面を用い、それに伴って扮装も変化します。喝食とは、禅宗寺院において僧たちの世話をする少年のことで、シテの神秘性をより強調することとなっています。さらにこの小書では、前シテは、農耕神である稲荷明神の神徳の象徴・稲穂を持って出ることになっており、神の使者としての性格が強調されているといえましょう。後シテは黒頭を付け、面も小飛出になります。後シテもまた霊狐の、獣としての性格よりも、霊力をもった神の使者としての性格を強調する演出となっています。
みどころ
元暦2年(1185)に壇ノ浦の戦いで平家が滅亡すると、皇室に伝わっていた草薙剣もまた、安徳天皇とともに海底に沈んでしまいました。日本を守護する宝剣の喪失は、末法思想や社会不安等と相伴い、中世の人々にとって深刻な問題となりました。そのような中で草薙剣をはじめとする、霊的な力をもった古今東西の剣に対する関心が高まり、剣にまつわる物語が盛んに語られるようになってゆきました。本作も、そのような関心の中で書かれ、国家を守る霊剣の物語となっています。

常磐津・長唄掛合『角兵衛』
幕末の文化文政期に流行した「掛合物」(一曲を二つ以上の三味線音楽が、やりとりしながら進行する)と呼ばれる形式で作曲されました。年代は文政十一年九月、常磐津と長唄の掛合による曲で、長唄の作曲は四世杵屋三郎助(後の十世六左衛門)、常磐津の作曲は岸澤式佐(後の古式部)です。今回は常磐津の演奏を、私の大好きな三味線弾きで友人でもある、十二世家元・都一中師こと常磐津文字蔵さんにお願いしました。文字蔵さんは、昨年、別の企画でご一緒させていただき、大変ご好評いただきましたので、昨年に引き続き、今回は全曲を演奏させていただきます。三十分かかる大曲ですが、掛合である事と曲調に変化が大きい曲ですので、そんなにお飽きになる事なくお聞き頂けると存じます。二つの三味線音楽の、音色や間取りの違い、歌の発生や節回しの違い等、楽しまれながらお聞きください。

日本舞踊『楠公』
楠公とは、天皇の中心として誉れ高い楠正成の敬称で、「大楠公」とも呼ばれております。後醍醐天皇の重要な側近として活躍した楠正成は、天皇に反旗を翻した足利尊氏が東上してくるのに対して、自分の意見が公家達に退けられ、天皇を裏切らない為に、勝ち目のない戦いに死を決して湊川に出陣します。前半は尊氏追討の命を受けた正成が、総勢わずか500余騎を従え京を出発、大阪府の桜井の駅で息子正行(まさつら)との別れの場面となります。討ち死にを覚悟する正成は正行に形見の刀を与え、涙をこらえ故郷へ帰します。
そして後半は湊川(神戸市)での凄まじい合戦の模様となります。
三津之丞振付作品の中でも傑作で、このドラマを扇子一本で素踊りで踊ります。

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